再開の第1発目がまんがですみませんが…。ホーリーランドの最終巻です。
ホーリーランド 17 (17) (ジェッツコミックス): 森 恒二: 本ホーリーランド 18 (18) (ジェッツコミックス): 森 恒二: 本いや、すまなくないぞ。まんがは総理も読んでいる日本人の国民的娯楽である。大人の鑑賞に堪えうるまんがを生産し、それを楽しめるというのはよほど文化的民度の高い国でないとありえない。
…話がそれた。ホーリーランドである。
17巻が最高傑作だと感じた。この巻で、これまで長いあいだ廃人になっていたショウゴがとうとうその真の実力を発揮する。この巻に収録されている一連の物語は、まさにこの物語のクライマックスにふさわしい、著者渾身のストーリー展開だった。ユウの成長、ショウゴとの反目と友情、空手の真価が全てここに凝縮し、昇華し、伏線もきれいに回収された。
空手を修めている自分としては、空手家であるショウゴというキャラに一番肩入れしていたのだけど、中盤以降は廃人同然になっていて、見ていてつらかった。その分、最後の最後にユウとの友情と、自らの輝きを取り戻したショウゴの勇姿の美しさ、そして悲しさとに、胸が締め付けられるような感慨を覚えた。
それに比べると18巻は、物語の回収に回っている巻なので、17巻のような興奮はなかった。ただ、うまくまとまっている。多くの読者が納得できる綺麗な終わり方だったのではないだろうか。
このまんがが8年も続いていたことをちょっと意外に思うと同時に、打ち切りでも破綻でもなく、ここまで鮮やかに終わったことが素晴らしいと思った。
以下、微ネタバレ。
(余談だけど、Amazoレビューで「神代死亡説」を唱えて勝手に怒ってる奴らはいったいどんな読解力をしているのだろう? まんがの読み方から教えないといけないのか。伊沢(妹)と待ち合わせしてたり、最後に腹の傷跡を見せたり、どう読んでも神代と分かるように描かれているじゃないか。あれ以上わかりやすく書くんだったら、名札でも付けないといけなくなるぞ。連載で読んでて、最後の1つ前の話までしか読んでないのかな?そのくらいの謎レベル。)